くすりの話
25回目【ステロイド系外用薬その1】
2021年05月13日
「ステロイド」という響き、一度は耳にしたことがあるでしょう。ステロイドというのは、副腎皮質ステロイドの略です。副腎皮質というのは腎臓の上にある「副腎」という臓器の外側を指し、副腎皮質ホルモンを常に出しています。これと同じような働きをする化合物を「ステロイド」と総称しています。
さて、ステロイドは自分の体にはなくてはならないホルモンで、常に一定量出ていますが、風邪をひいたり、体調不良の時、ストレスが強い時など、いつもより多くだして、自分の体を守ろうとします。その作用を生かしたのが、ステロイド系外用薬です。主に皮膚の炎症(赤くなる、腫れる、熱感、痛み)の時に使用します。アトピー性皮膚炎、虫さされ、かぶれの時は、炎症が起きているので、ステロイドを活用し、皮膚を正常に近づけます。ステロイド系外用薬は3日間程度使用し、炎症が改善したら保湿を1か月程度は続けて、いつもの皮膚に戻しましょう。主治医の指示がある人は、それに従ってくださいね。(薬剤師 中野洋子)