くすりの話
18回目 【整腸剤】
2020年10月03日
整腸剤とは乳酸菌などの菌を含有製剤を指します。薬局で売っているビオフェルミンは有名ですね。病院ではビオフェルミンやラックビー、ミヤBM、
ビオスリーなどの乳酸菌などの菌を含む製剤を取り扱っています。下痢や便秘、腸の炎症の時に処方され、味もほんのり甘くて飲みやすいお薬です。ビオフェルミンは水に溶かすと、有効成分は水に溶け込んでいますので、上澄みを飲めば薬を飲んだことと同じになります。
抗生物質を内服したときに、善玉の腸内細菌も殺されてしまい、腸内細菌叢(そう)のバランスが乱れて、下痢を引き起こすことがあります。その際は抗生物質にも殺されにくいビオフェルミンR、ラックビーRというRと名がつく製剤が処方がされます。整腸剤は症状がおさまっていても、崩れている腸内細菌叢のバランスを整えてくれますので、症状改善と同時には中止せず、指示された期間を内服することが大切です。
(薬剤師 中野洋子)