くすりの話
12回目 【ステロイド外用薬】
2020年03月05日
ステロイド、という言葉は聞いたことがあると思います。これはステロイドですと説明されても「?」「なんかこわい」「副作用が強い」「からだによくない」そんなイメージを持つ人もおられるかもしれません。本来のステロイドの意味は、成分の骨格の分類名称です。性ホルモンやコレステロールもステロイド骨格を有する非常に重要な物質です。ステロイド外用薬が指すステロイドは副腎皮質ホルモンと同じ効果を示すもので、副腎皮質ホルモンは自分の体から分泌されています。それが持つ炎症を抑える作用に特化させること、皮膚にのみ効果を発揮し全身へのホルモンとしての作用は極力減らしたものが、ステロイド外用薬になります。赤み、腫れ、かゆみは炎症からくるもの。この炎症を強力に抑え込むのがステロイド外用薬です。炎症を抑えることで、正常皮膚に早く戻すことができます。正常皮膚に戻れば、ワセリンなどの保湿剤を継続することで、皮膚のバリア機能の強化できます。炎症は虫刺され、蕁麻疹、乾燥など理由は様々。赤みを放置しないために、上手に薬を利用しましょう。
(薬剤師 中野洋子)
(薬剤師 中野洋子)