くすりの話
その1 薬はどうして効くの?
2019年04月02日
薬はどうして効くのでしょうか?
飲み薬の場合、胃や腸の中で溶けて、体の中に取り込まれ(吸収)、血液中を流れ(分布)、薬の作用点に届いて、その効果を発揮します。飲んでから効き始めるには、15~30分はかかります。つまり、飲んですぐ効くわけではありませんので、飲んだ後、様子をみることが大切です。薬は溶けることが大切ですので、飲み薬を飲むときはコップ1杯(200mL程度)の水で飲むことは、効果を早く発揮させるためのポイントとなります。坐薬の場合は内服よりも吸収が速いため、飲むよりも早く効果が得られます。解熱鎮痛薬は坐薬を活用することが多いですね。注射は直接血管に入るので、さらに早く効果を得ることができます。
また、薬は肝臓で分解されたり、腎臓を通って尿に溶け込み、体から出て行きます。水分をしっかりとって、尿量を確保することは、副作用の予防につながります。
1日3回飲む薬もあれば、1日1回の薬もありますね。その違いは、体から薬がなくなる早さです。3回飲む薬は、早く薬がなくなるため、補う必要があります。1日1回でよい薬は、体に残りやすいため、薬としての効果を長く得ることができます。長く効くことは、症状が落ち着いている時間を長くできるため、安定した効果を期待することができます。
(薬剤師 中野洋子)