くすりの話
9回目【消毒薬】
2019年12月03日
消毒とは、「ヒトに病原性を有する大部分の微生物を死滅させるが、細菌芽胞は生存する状態」のことです。全ての菌が死滅したり、除去されるわけではありません。
消毒には、煮沸消毒や、消毒薬による消毒があります。消毒薬には、エタノール、ポビドンヨード(イソジンなど)、次亜塩素酸ナトリウム(ハイターなど)、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウムなどがあります。消毒薬によって、消毒できる菌やウイルス、使用できる部位、薄め具合も異なりますので、使用の際は必ず添付の書類をご確認ください。例えばノロウイルはエタノールでは死滅せず、次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。
消毒薬を効果的に使うには、まずは消毒したいもの(ふきん、食器、まな板、おもちゃなど)をきれいに洗うことです。汚れは消毒薬の効果を弱めてしまいます。
外傷に対して使う消毒薬は、明らかにばい菌がいるような場所での怪我以外には使用する必要はありません。患部を流水でしっかり流すことが大切です。消毒薬は傷の治りを遅くさせてしまいます。
いずれの感染症予防には手洗いと清潔なタオルで水分をしっかりとふき取ることが効果的です。帰宅、料理、食事、服薬、どんな時の節目にも手を洗う習慣ができるといいですね。(薬剤師 中野洋子)