くすりの話
16回目 【抗生物質(抗菌薬)】
2020年08月06日
受診すると抗生物質(抗菌薬)を処方されることがあります。抗生物質は菌を増やさないあるいは死滅させる薬のことです。中耳炎や肺炎、膀胱炎、怪我をして化膿するなど、菌が原因でおこる病気に対し処方されます。通常なら、免疫力により菌が増えすぎることはありませんが、寝不足や疲労など体が弱っている時は免疫力が低下し、菌に対抗する力(抵抗力)が弱まり、菌が増えて激しい戦いが始まります。それが炎症。熱が出たり、膿や痰がでるのは、体と菌が戦ってるあらわれです。
菌が増えて病気になったときに抗生物質を利用します。抗生物質は菌の増えすぎを防いで、悪化を防ぎ、早く病気を治します。
抗生物質は指示通り服用してください。症状が軽くなったからと中止したり、減量すると薬に強い菌だけが生き残ることがあります。これを耐性と言います。薬の量や期間を守ることで、耐性をもつ菌を増やさないようにすることができます。また、抗生物質はウイルス性疾患に対して全く効果はありません。(薬剤師 中野洋子)