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くすりのおはなし くすりイラスト

薬剤師さんからママへのアドバイス

知ってほしいワクチンの話 その8

ヒブ、肺炎球菌

くすり.png台風がきたり、秋雨前線が停滞したり、爽やかな秋を感じられませんが、11月は秋の終わりを楽しみたいですね。ドングリを拾ったり、きれいな色の葉っぱを拾ったり、素敵な時間になりそうです。そろそろインフルエンザワクチン接種の時期でもあります。今年は流通が少なくなりそうですので、早めの予約をおすすめします。0歳児がおられる家庭は本人ではなく保護者の接種を推奨します。   
 今回はヒブ、肺炎球菌ワクチンをご紹介します。いずれも髄膜炎を予防する目的で導入されました。日本では、2008年にヒブ、2010年に肺炎球菌が承認され、2013年から定期接種となりました。その結果、細菌性髄膜炎のほとんどはヒブと肺炎球菌ワクチンであったため激減しています。また肺炎球菌ワクチンは2013年11月には7価→13価ワクチンに変更されており、より多くの肺炎球菌に対して効果を示すようになりました。肺炎球菌は中耳炎の原因菌でもあり、中耳炎の発症も抑える効果があります。
 いずれのワクチンも生後2か月~6か月に1回目の接種を行い、1か月あけて計3回、1歳過ぎてから追加で1回接種する必要があります。

(薬剤師 中野 洋子)

KNOW★VPD!:Http://www.know-vpd.jp/index.phpより出展

知ってほしいワクチンの話 その7

MR、水痘、おたふく

くすり.png 朝晩は涼しく、秋の近づきを感じますね。気温の差が激しくなり、体調管理が難しい時期でもあります。良質な睡眠と栄養をとって、元気な毎日を過ごしたいですね。今回から個別のワクチンのお話です。
 1歳になったら、すぐに接種してほしいのはMRワクチンです。日本では2007年に大学生を中心に麻疹が流行しました。そのためワクチン未接種者は入学できないような学校もあるようです。風疹は妊婦が感染し、難聴、白内障、心臓病などの赤ちゃんが生まれる風疹症候群の例が増えています。
 水痘ワクチンは平成26年10月より定期接種となりました。感染力が強く、一度罹患すると、帯状疱疹を発症する可能性があります。帯状疱疹発症予防のためにも50歳以上では水痘ワクチンを接種することが適応となりました。
 おたふくかぜワクチンは任意接種ですが、感染力が強いため、MRワクチンと同時に2回接種がすすめられています。いずれのワクチンも生ワクチンであり、次のワクチンをうつには27日の間隔をあける必要があります。

(薬剤師 中野 洋子)

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知ってほしいワクチンの話 その6

スケジュールの決め方

くすり.png 夏の暑さがまだまだ残っています。季節の変わり目は体調を崩しやすいとき。体の小さな変化に気付いて、その都度、対応していけたらいいですね。       
 10年くらい前と比べると、接種するワクチンは非常に増えています。そのため、生後2か月からワクチン接種のスケジュールを開始していくのが一般的となっています。また、生後2か月から接種することで、重症化する細菌感染から体を守ることができます。おすすめされているスケジュールはこのように決めています。
  1.流行しているワクチン、重症になりやすいワクチンを優先
  2.接種年齢(月齢)になったらすぐに受ける
  3.効率的・効果的な受け方を考えて、同時接種を取り入れる
ワクチン接種するにあたり、予定通りいかないことも多々あると思います。1回目のワクチンをうっていれば、少なからず効果はあります。予定を組みなおし、こつこつとワクチン接種していきましょう。わからないことがあれば、早めにかかりつけ医に相談し、予定されているすべてのワクチン接種ができるようにしましょう。2歳まででひと段落、あとは、ぽつぽつとワクチン接種してきましょう!

(薬剤師 中野 洋子)

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知ってほしいワクチンの話 その5

ワクチンの種類

くすり.png 夏真っ盛りですね。規則正しい生活と適度な休息で元気に乗り切りましょう。さて、今回はワクチンの種類についてご紹介します。

★生ワクチン
生きたウイルスや細菌の病原性(毒性)を、症状が出ないように極力抑えて、免疫が作れるぎりぎりまで弱めた製剤。自然感染と同じ流れで免疫ができるので、1回の接種でも充分な免疫を作ることができます。ただ、自然感染より免疫力が弱いので、5~10年後に追加接種したほうがよいものもあります。ワクチンの種類によっては、2~3回の接種が必要なものもあります。副反応としては、もともとの病気のごく軽い症状がでることがあります。
★不活化ワクチン
不活化ワクチンは、ウイルスや細菌の病原性(毒性)を完全になくして、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたものです。接種しても、その病気になることはありませんが、1回の接種 では免疫が充分にはできません。ワクチンによって決められた回数の接種が必要です。
★トキソイド
感染症によっては細菌の出す毒素が、免疫を作るのに重要なものもあります。この毒素の毒性をなくし、免疫を作る働きだけにしたものがトキソイドです。不活化ワクチンとほとんど同じです。

 予防接種から次の別の種類の予防接種までの接種間隔は、生ワクチンは4週間以上、不活化ワクチンとトキソイドは1週間以上です。

(薬剤師 中野 洋子)

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知ってほしいワクチンの話 その4

ワクチンで防げる病気

くすり.png 蒸し暑い季節がやってきました。こまめな水分補給は元気な体をつくります。摂取するのはお水やお茶にしましょう。ジュースやイオン飲料を日常的に摂取すると、空腹感がなくなり、食事量の減少につながりますよ。
 さて、病気に強い体を作ってくれるワクチンですが、どんな病気に効果があるのでしょうか?
 下記のような病気を予防してくれます。A型肝炎や髄膜炎菌感染症は必要に応じて接種します。海外留学や移住などの際は、追加でワクチン接種することをすすめます。
 ワクチンで予防できる病気はワクチン接種して我が子を病気から守りましょう。

・B型肝炎 ・ロタウイルス感染症(胃腸炎) ・ヒブ感染症・肺炎球菌感染症 ・ジフテリア ・破傷風 ・百日せき ・ポリオ ・結核 ・麻疹(はしか) ・風疹 ・おたふくかぜ ・水痘(みずぼうそう)・日本脳炎 ・インフルエンザ ・ヒトパピローマウイルス感染症 ・A型肝炎 ・髄膜炎菌感染症

(薬剤師 中野洋子)

知ってほしいワクチンの話 その3

ワクチンの副反応

くすり.png 急に気温が上昇し、夏のような日もありますね。初めての夏を迎えるお子さんは汗疹に虫刺されなど、心配ですね。清潔と保湿のスキンケアを続けて、丈夫なお肌を維持してくださいね。
 さて、ワクチンのお話。副反応って聞いたことありますか?副作用はあるけれど・・・という方は多いかもしれません。ワクチンも医薬品の一つではありますが、治療薬ではないため、ワクチン接種によって起きる思わしくない事象を副反応と言います。ワクチンの副反応でよく起きるのは接種部位の発赤です。実際に局所反応が多いワクチンは四種混合です。まれにひじを超えて腫れることもありますが、症状がひどい場合は腫れをとる薬などで対応します。他には熱がでることがあります。麻疹や肺炎球菌は発熱することがよくあります。ワクチンで発熱してしまうぐらいの子は、本物の病原菌やウイルスに感染すれば、さらに重症になる危険性が高いと言えます。ワクチンで予防できる病気は接種して我が子を病気から守りましょう。

(薬剤師 中野洋子)

知ってほしいワクチンの話 その2

同時接種

くすり.png 新緑がまぶしいですね。日差しが強くなり、紫外線も気になりますが、急激な気温の上昇は熱中症に要注意です。また、汗疹も多いのがこの時期。衣類には気を付けたいものですね。
 さて、ワクチンのお話。ここ数年、法的に接種すべきワクチンの数が増えてきています。そのため、複数のワクチンを同時接種することが当たり前になってきました。同時接種したからといって、副反応が増えたり、効果が減ることはありません。乳児を病気から守るために、同時接種がすすめられています。ワクチン10本を同時接種しても、免疫力の0.1%しか使いません。そして、長い間世界中で使用されていて、問題が起きていないことも、同時接種がすすめられる根拠となっています。
 ただし、ワクチンは病気になったときと同じような免疫応答を起こさせて病気から体を守ります。体調が悪いときに接種すると、悪化させることがあります。また、接種後も激しく消耗するような生活をすると、体調不良を引き起こします。ワクチン接種前後は旅行やおでかけのイベントを控えて、無理のない生活をした方がよいでしょう。

(薬剤師 中野洋子)

知ってほしいワクチンの話 その1

ワクチンって何?

くすり.png 春になりおでかけしやすい季節になりましたね。お出かけで気になるのが感染症です。今回から病気を予防できるワクチンについてお話していきます。
 生後2か月を迎えるとワクチンプログラムをはじめていきますが、順調にすすんでいますか?もし、まだはじめていない、という方がおられたら、すみやかに接種して、我が子を病気の発症から守ってあげてください。ワクチンは、感染症の原因となるウイルスや細菌を精製・加工して、病原性(毒性)を弱めたりなくしたりして、体にとって安全な状態にしたものです。本当にかかってしまう前にワクチン接種をして、その感染症に対する抵抗力(免疫)を作っておこうというわけです。
 しかしながら、全ての病気に対してワクチンがあるわけではありません。ワクチンを作るには容易ではないからです。ワクチンのある病気は、非常に重篤になりやすく、確実な治療法がなくて、深刻な合併症や後遺症をおこしたり、命を落としたりする危険のある病気です。できる限りスケジュール通りでかつ体調のよい日に摂取したいですね。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その12

母の勘

 月に一度、お薬相談でわいわいステーションを訪れていますが、普段は小児科病棟(糖尿病内科と眼科も)に常駐し、お薬の指導、医師や看護師からの相談応需、退院後の生活指導が主な仕事です。ここでいつも感じることは、母の勘。あの時受診していれば・・・、とか今日受診したからひどくならなかった・・・とか。もちろん、急激に病気は進行していくこともあるし、勘だけではどうにもならないこともありますが、普段の子供を一番知っている人しかわからない症状というのもあるものです。食事ができてる、水分がとれている、尿が出ている、便が出ている、何気ないことが大切なのです。いつもと違うなら、どう違うのか、よ~く観察して、受診時に伝えてくださいね。病気にならないように、と願うよりは、病気になっても早く治れる元気な体を作るようにしてください。結果的には病気になりにくくなります。早寝、早起き、定期的な食事、排泄など規則正しい生活は元気な体を作ります。個人個人の弱み(咳が出やすい、中耳炎になりやすい、鼻水が出やすいなど)もあるでしょうから、そこは注意深く観察しておきましょう。体調の悪そうな日は、無理をせず、安静に過ごすことも大切です。予定があっても、キャンセルする勇気を持ってください。ワクチンも元気な時に接種してください。体調不良時に接種は体調を悪化させます。唯一無二の我が子の健康を守るため、母の勘、大切にしてくださいね。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その11

剤形:いろんな塗り薬

 前回、塗り薬についてご紹介しました。小児科領域でよく使用される塗り薬についてお話します。

アズノール軟膏
炎症(赤み、腫れ、かゆみ)を抑える。傷があっても塗布できる。
ワセリン
皮膚保護剤。乾燥、汚染から皮膚を守る。おむつかぶれ予防、よだれかぶれ予防に有効。薬局で購入が可能。手荒れ防止にも効果あり。
保湿剤
小児科領域で使用されるのはヒルドイドが有名。ヘパリン類似物質含有しており、軟膏、クリーム、ローション剤がある。水分保持能力に優れている。乾燥しすぎてひび割れているようなところは、刺激があるので塗布しない。
ステロイド
ロコイド、アルメタ、リンデロンなどが有名。強力な抗炎症作用がある。皮膚の症状や部位によってステロイドの強度を選び処方されるため、指示通りの部位に使用する。3~7日間の使用が一般的。その後はワセリンやアズノール軟膏などでスキンケアの継続が大切。軟膏やクリームがあり、クリームは傷があれば塗ってはいけない。
抗真菌薬
おむつかぶれ時にカビが繁殖することがあり、その時に使用する。1日1回塗布の製品が多い。カビの感染にはステロイドを塗ると悪化する。

 余談ですが、スキンケアは、食物アレルギーの予防と治療の大切な方法の一つではないかと考えられています。皮膚トラブルがなくても入浴後1時間以内を目安に保湿剤を全身に塗り、元気で健康な体を作りましょう。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その10

剤形:塗り薬

 皮膚に赤みのある時、かゆみのある時、かさかさ乾燥している時、けがをしている時、捻挫や関節の痛みがある時、カビに感染している時などに外用剤を塗布します。それが塗り薬です。塗り薬にはたくさん種類があります。乳幼児でよく使用する外用薬は、保湿剤、くすり.pngステロイド剤、抗炎症薬、抗真菌薬(カビを治療する薬)です。それぞれに目的が違いますので、処方された指示通り使用する必要があります。処方してもらうときに、1日何回、どの程度の量をどの程度の範囲にどの程度の期間塗布するとよいか確認するようにしましょう。処方箋を持参した薬局で確認することも可能です。一般的な目安は人差し指の第一関節の長さをチューブから出した分が両手のひらの面積分です。
 間違った外用薬を塗布すると症状が悪化することがあります。また、外用薬を塗布したあと、紫外線に浴びるとしみなどの副作用が現れることもあります。外用薬を塗布することで接触性皮膚炎という塗り薬でのかぶれが生じることもあります。塗り薬でも副作用は起こりますので、主治医の指示通り塗布し、その後症状の改善が認められるか、悪化していないかの様子を観察することが大切です。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その9

剤形:貼付剤

 寒さが身にしみますね。空気も乾燥しているので、体調管理が大切です。今回は貼付剤(ちょうふざい)です。子供に貼り薬?と思う方もおられるかもしれません。貼付剤といえば、シップ類がほとんどで局所に効果があるものでした。今は皮膚から吸収させて、全身クスリ.pngに効果を発揮させる薬があります。小児でよく使用するのは「ホクナリンテープ(ツロブテロールテープ)」で、皮膚にはると、気管支を広げて呼吸を楽にするお薬があります。主に喘息の治療薬ですが、呼吸器に症状が強くでる感染症の時に使用することがあります。貼付後8~12時間で吸収された薬の濃度が高くなりますので、咳がひどくなったり、呼吸がしにくくなる夜中に効果を発揮させるため、夕方に貼付します。このテープ剤は入浴しても大丈夫です。はがれてしまう心配がある場合には、テープの上から絆創膏などで補強しておくとよいでしょう。咳が出て眠れない夜を防いでくれるので、時間を間違えないように貼って、効果を発揮させてたいですね。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その8

剤形:坐薬

 秋も深まり、そろそろ木の葉も色づいてきました。空気が乾燥し、風を引きやすいこの季節、手洗い、うがい、水分摂取を心がけたいものです。
くすり.png さて、今回は坐薬です。使ったことはありますか?肛門からいれるお薬のことを坐薬といいます。3歳くらいまでは、おむつを替えるときのように両足を上にあげた状態で挿肛するのがよいでしょう。坐薬には、「解熱鎮痛薬」「吐き気止め」「痙攣止め」「下剤」があります。その時の症状に応じて使用する頓用が多いです。よく処方されるのは解熱鎮痛剤です。成分はアセトアミノフェンが入っています。38.5℃以上の発熱時で、機嫌が悪く、元気がないときに使用します。挿入後30~60分で効果があらわれ、熱が下がってきたら、飲食したり、ゆっくり寝かせます。熱が高くても、食事ができたり、眠れたり、機嫌が悪くないようなら、解熱剤を使用する必要はありません。半分や3/4個の指示が出た時には、包装の上からナイフやハサミで切り捨て、とがっている方を残してお尻からいれてあげてください。体温ですぐにとけるようにできていますので、冷蔵庫で保管します。挿入後、すぐに排便してしまい、形が残っているようならそのまま挿入、溶けていてわからないようであれば、1時間ほど様子を見て熱が下がってこないようなら新しいお薬を入れてあげましょう。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その7

剤形:シロップ剤

 夜になるのが早くなり、空も高く、秋を感じる季節ですね。乾燥しやすく皮膚トラブルになりやすいので、親子ともに保湿して、うるおい肌を保ちたいものです。
くすり.png 前回は粉薬について紹介しました。今回は水薬についてです。「すいやく」と呼びますが、「みずぐすり」でも間違いではありません。小児科領域の薬はシロップ剤が中心となります。砂糖を沢山加えて、甘く作られています。咳止め、痰切り、鼻水どめなどを混ぜ合わせて水薬びんに入れ、びんについてあるメモリにあわせて飲めるように、水を加えています。水を加える量は薬剤師の裁量の範囲ですので、薬局によって、水薬の見た目の量が異なることがありますが、薬の成分量はすべて指示通りに入っています。シロップ剤は○○mLなどの指示以外は、水で薄めてあることが多いため、保存できる期間は冷蔵庫に保管して1週間程度です。量が多くて飲みにくい場合は、薄める水の量を減らしてもらうよう処方箋を出すときにお願いしておきましょう。味が濃すぎて飲みにくいときは、1メモリ分を分けたあと、ほんの少しのお水を加えると甘すぎず飲みやすくなります。何かに混ぜるよりは、薬を飲んだ後のおいしいお口直しがおすすめです。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その6

剤形:散剤

 まだまだ暑い日が続いています。水分補給を忘れず、規則正しい生活を心がけてくださいね。
くすり.png さて、前回、お薬手帳の活用についてご紹介しました。お薬手帳には、○○錠、▽○カプセル、○▽坐剤、△○細粒、○△ドライシロップなどと、薬の名前の後ろに書いてあります。これを剤形と言います。小児科でよくみるのは、細粒、顆粒、ドライシロップ、シロップ、エリキシル、坐剤、貼付剤(テープ剤)などがあります。 細粒や顆粒、ドライシロップはまとめて「散剤」とも呼ばれます。粉薬という意味です。末・細粒・顆粒の違いは粉の粒の大きさの違いで顆粒が一番大きな粒になります。ドライシロップは抗生物質でよくみられる剤形で、水に溶かしたり、懸濁(水にはとけないけど、濁っている状態になる)したりして服薬します。甘い味やいい匂いがつけてあり、水薬のように服薬できるので、ドライシロップという名前がついています。特殊なコーティングをしている薬もありますので、基本的に薬は水に溶かして飲み、お口直しのおいしい飲み物を飲むのがおすすめです。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その5

お薬手帳

 暑い夏がやってきました。帽子をかぶせたいのにかぶってくれない子供もいてるでしょうね~。親子で上手な暑さ対策をみつけてくださいね。
くすり.png さて、お薬手帳を持っていますか?活用していますか?
 病院薬剤師の私は、入院時、退院時に患者様のお薬手帳を活用します。入院施設のない小児科から入院してくる子供が大勢いますので、お薬手帳は大変便利で活用させてもらっています。え?ただの薬の名前のシールをはっているだけのノートじゃないの?と思われるかもしれません。医師や薬剤師が見れば、どのような経過で薬をもらっているかが正確にわかる貴重な情報源なのです。そこで、さらに手を加えて、医療従事者も、保護者も役立つお薬手帳にしてみませんか?このお薬は何の症状の時にもらったのか、病名や症状、経過などをメモしておくと、振り返ったときに非常にわかりやすい情報になります。また、この薬は飲ませにくかったとか、吐き出したとか、上手にのめたとか、薬の好みもメモしておくと、今後の処方の参考になります。同様に外用薬もどんな症状に使ったのか、塗る量や部位なども追記しておくとよいでしょう。わが子の気に入るイラストや写真をいれてオリジナルの薬手帳を作っておられる保護者もおられました。お薬手帳に愛着をもってもらえるのはうれしいことです。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その4

経口補水液

くすり.png 梅雨も明ければ、夏本番ですね。こまめな水分補給が大切です。
 前回は発熱のお話で、その際、経口補水液について触れました。今回はその液の作り方、飲み方についてです。発熱が続き、食事もとれない、水分も飲まない、下痢やおう吐が続いている、あるいは夏の蒸し暑い日水分をとらずにいて、吐き気がするなどの熱中症の状態のときに、経口補水液は活躍します。この液は「飲む点滴」と言われていて、作ることができます。また、大塚製薬からOS1という商品名で販売されています。この飲み物は、少々塩辛いのが特徴で、糖分と塩分が一定の割合で配合されていることで水分も一緒に小腸から吸収させることができます。経口補水液の基本は水1Lに砂糖40g、塩3gを加えて溶かしたものです。そこにクエン酸かレモン汁を加えると、飲みやすくなる上、さらに水分の吸収がよくなります。スプーンで一口ずつ飲ませます。乳児は体重1kgあたり30-50ml、幼児は300-600mlを目安に、5-6時間かけて飲めば点滴代わりになります。ゴクゴク飲んではいけません。舌、口や肌が乾いている、尿がでない、脈が速い、そんなときは脱水が疑われます。もちろん速やかに受診できればいいですが、夜間の一時しのぎとして、飲む点滴はホームケアとしてできる方法です。まずいと有名なOS1ですが、脱水の時はおいしく感じます。まずくなってくれば、脱水解除のあかし。ほかの飲み物(このときはスポーツ飲料などもOK)での水分補給に切り替えるといいですね。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その3

発熱

くすり.png 季節も移り変わり、冬の風邪から、夏の風邪になってきたなぁと小児科病棟で医師と話をしていました。とはいえ、冬も夏も病気の基本は感染症です。ウイルス、細菌が体の中に入り込み、それを攻撃して体を守るために発熱し、その発熱が持続した結果、水分がとれず、食事ものどを通らず、体調が戻らない、その状態が続き小児科病棟に入院してきます。咳がひどくて眠れない、のどが痛い、そのような症状でも水分摂取ができなくなり、重症化する場合もあります。 発熱の場合は、上手に解熱剤を使うことで、重症化を回避できます。高熱が続き、ぐったりしている、食欲がない、水分をのまない、そのようなときは食前に解熱剤を使い、30分後くらいから解熱しはじめますので、水分(できればOS1)をスプーンで一口ずつのませ、嘔吐がなければ、ゴクゴクではなく、少しずつ飲ませていきます。食事ができそうなら消化のよいおかゆなどを食べるとよいでしょう。ただし、熱があっても水分がとれている、食事ができる、遊べる、そのときは解熱剤を使用する必要はありません。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その2

笑顔と薬

くすり.png 薬には色々な剤型があります。散剤(粉薬のこと)、水剤(水薬のこと)、錠剤、カプセル剤、坐剤、軟膏、湿布などの貼付剤・・・。いつのころからか錠剤ものめるようになっているとは思いますが、乳幼児の頃は、「粉、水、坐薬」がお薬の主役ですよね。どうやってのませたらいいのかわからない・・・というお父さん、お母さんが多いのも事実。実際にどうやって飲ませているのか見たことがないのがほとんどですもの。基本は食事と同じようにスプーンや小さなコップでのませます。離乳食がはじまれば、コップで飲む練習をはじめるといいですね。あと必要なのはお口にいれてあげるときの笑顔。「さぁ、のみなさい」というこわーい顔ではなく、肩の力を抜いて、にっこり笑顔で「あーん。お薬のもうね。」とお口に入れてあげてください。そして上手にのめたら、大きくほめてあげてください。赤ちゃんにとってお父さん、お母さんの笑顔は何よりの薬になりますから・・・。哺乳瓶でミルクをのんでいる場合は、哺乳瓶の乳首に入れてのませてもよいでしょう。

(薬剤師 中野洋子)

小児科担当薬剤師の薬の話 その1

病院の薬剤師って?

 開業医さんでは診察後薬を渡すところもありますが、今はほとんどが病院では処方箋をもらい、その処方箋をもって調剤薬局でお薬をもらう医薬分業となっています。薬局の薬剤師が患者さんにお薬を渡すとき、お薬と同時に渡さないといけないものがあります。それくすり.pngは、情報です。法律で定められた薬剤師の義務となっています。お薬の効き目、予測される副作用、その対処方法、保管の仕方、水薬のはかり方、塗り薬の使い方、貼り薬の貼り方、吸入薬の使い方などなど、とにかく、お薬と飲み方の説明だけでお渡ししてはいけないこととなっています。また、お薬手帳にも情報を書き込み、お渡しすることになっています。今年度からはお薬手帳を持参した方が、支払いが安くなるようになりました。少しでもお薬手帳を活用するよう国をあげての方針となっているようです。遠慮せず、たくさん質問してください。 月に一度のお薬相談担当の私は、病院に勤務している薬剤師。病院の薬剤師って薬を作ってるんじゃない?と思われがちですが、ほとんどの勤務時間は病棟にいて、肺炎や胃腸炎などで入院している小児科の子供たちのお薬(飲み薬、点滴など)の説明をしています。薬剤師はお薬を作っている!というイメージはもう過去の話。薬剤師を身近に感じていただき、あなたの健康管理に役立ててほしいです。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その12

薬との向き合い方編

 お薬を上手に飲ませることはできますか?お母さん自身がお薬はこわい、飲ませない方がいいと思っていませんか?
 お薬は病気を治すために活用する長年蓄積されてきて、受け継がれてきた知恵だと思っています。新しい薬のおかげで助かる命も増えています。重大な副作用があるのも事実ですが、初期症状を見落とさないことで、命に別状なく生活できることがほとんどです。病気も薬の効き目も副作用も「普段との違い」がとても大切になります。いつもの子供の様子をきちんと観察し把握しておくこで、いつもとの違いを受診した時に医師に伝えることができます。まずは元気な子供の様子を観察してください。
 そして、保護者自身が薬を理解し、子供に伝えてください。薬を飲まないからと子供をだまして飲ませるのは、子供に人をだましてもよいと教えることになります。正しく薬のことを伝えようとする、その熱意だけでもよくわからないけど飲まなければいけない、と子供に伝わるはずです。5歳になる娘は、どんな時に薬のむのか、どのタイミングでのむとよいのかを理解しています。おいしくない薬も自分の体のためと、のむことができるようになっています。納得して服薬できるというのは、薬の効果をさらに上げます。
 薬の不安な気持ちがあればそれを解消しに、月に一度の相談日に来てくださいね。待っています。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その11

授乳中の薬編

 そろそろ、花粉症の対策をする時期がやってきました。授乳中のママにとって、薬を飲めない、というのはとてもつらいものです。育児でイライラ、花粉症でイライラ・・・。ひと昔前までは、授乳中に薬を飲むなら授乳を控えるよう指導されていましたが、今は、授乳をやめると分泌が悪くなることや、母子共に不安定になることなどから、できるだけ授乳を控えなくてもよいように薬を選択する傾向にあります。花粉症に限らずですが、薬を飲む場合は、必ず医師や薬剤師に授乳中であることを伝え、相談してくださいね。
くすり.png 花粉症の対策としては、外用薬があります。点鼻薬、点眼薬です。定期的に使用することで、局所の症状は抑えることができます。体のかゆみやのどのイガイガ感までは改善してくれませんが、鼻水や、目のかゆみが緩和されると、育児のストレスもましになります。授乳中で花粉症の方は受診して相談してみてください。実際に、私も花粉症(スギ&ヒノキ)ですので、授乳中は使用し、うがい、マスク、部屋の掃除も併用して、比較的穏やかに乗り越えることができました

ママ薬剤師の育児と薬の話 その10

インフルエンザ編

 インフルエンザがそろそろ流行してくる季節になりました。インフルエンザはワクチンで完全には予防できない感染症です。ただ、ワクチンを接種することで重症化を予防できるといわれています。今年の10月には1歳未満の乳児を除く家族全員で接種してほしいものです。くすり.png さて、現在4歳の娘ですがもうすぐ1歳になろうかという頃、我が家にもお父さんがインフルエンザを持ち帰りまして、家族で全滅してしまいました。娘の初めての発熱はインフルエンザで、速やかに小児科を受診し、家族にインフルエンザの人がいることを伝え、薬をもらって、二日ほどでよくなりました。その後私も発症しましたが、ワクチンと薬の効果でほとんど1日程度の熱で復活できました。実は娘の発熱した日は育児休暇最終日。明日から仕事と張り切っていた矢先、育児休暇延長の申請を行うことになるなど、大変だったのを覚えています。 インフルエンザの治療薬はインフルエンザウイルスが体内で増えるのを抑える作用があります。早目の治療が功を奏します。内服薬、吸入薬、点滴のお薬があり、疑われたら速やかに受診することをおすすめします。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その9

発熱編

 乳児の初めての発熱で多いといわれている突発性湿疹を発症しなかった現在4歳の娘は、1歳になる直前まで高熱を出すことはありませんでした。その後は何度も発熱する機会がありました。熱も39度を超えてくると、子供自身がぐったりしはじめます。くすり.png
ある土曜日、昼間は元気そうにしていたのに、夕方になって熱が出てきて、夜中に高熱になったことがありました。水分もほとんど飲んでくれなかったので、スプーンで一口ずつ、10分おきくらいに与え、悪寒がおさまっていたので、氷で首、脇の下、股の付け根を冷やし、解熱剤の坐薬も入れて、日曜日の午前中に受診しました。少しずつ水分をとらせていたおかげで、入院は免れましたが、マイコプラズマ気管支炎と診断され、点滴をし、薬をのませました。点滴で水分補給できたおかげか、急に元気になりはじめました。
 解熱剤を使うタイミングを迷うかもしれませんが、ぐったりしている、水分を取らない、ご飯も食べない、そんな時は解熱剤を使って、30分くらい後から熱が下がり始めますので、下がっている間にとにかく水分をとらせることが大切です。とにかく、飲食できるようにすることを大切にしてください。余談ですが、冷えピタシートには発熱の冷却効果はありません。心地よければ使用してください。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その8

ワセリン編

 ワセリンには本当にお世話になりました。ロタウイルスのワクチンがまだなかったので、頻回の下痢でもおむつかぶれにならなかったのは、ワセリンのおかげ。離乳食時期の口の周りの赤みも早くなおしてくれました。1歳半くらいまでは毎日お風呂上がりに顔と肛門周囲にぬっていました。今はときどきですけど(笑)。
くすり.pngワセリンは石油原料から精製、脱色したもので、精製度が高いものほど、価格も高くなりますが、かぶれなどの副作用が少なく、軟らかく塗りやすいのが特徴です。「プロペト」「ベビーワセリン」「白色ワセリン」というワセリンを薬局で購入するとよいでしょう。
 ワセリンのすごさは、皮膚の保護力にあります。乾燥を防ぎ、外からの汚れ(よだれ、便や尿など)から守る、これだけで皮膚は炎症を起こしにくくなり、バリア機能をしっかり持ったよい皮膚の状態を保つことができます。これからの季節は、ママの手も荒れがち。水仕事の前にワセリンをすりこむだけで、水をはじき、手荒れから守ってくれます。特に水にたまりやすい、指の間にはしっかりすりこむことをおすすめします。虫さされ後や外傷後のカサカサ皮膚にも塗り続けていると早く治りやすいですね。スキンケアの基本は「清潔と保湿」。お風呂上がりには、ワセリンをほっぺ、お尻、陰部に塗布して、つるつるお肌に!!

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その7

ワクチン編

 日本はワクチン後進国のレッテルを貼られていましたが、ようやくヒブ、肺炎球菌、ロタ、非経口のポリオのワクチンを接種することができるようになり、乳幼児期に接種するワクチンが一気に増えました。そのため、それまでは基本的には1種類しか打たないのが当たり前でしたが、それでは接種のために何度も通院する必要があり、体調管理の面でも難しいため、同時接種が推奨されるようになりました。
82ad82b782e8.png 4歳になる私の娘も、注射は2種類うつもの、と思っており、インフルエンザの時に1種類しか接種しないので、なぜ?と思っていたようです。ワクチン接種のおかげで、保育園で流行した水痘も、インフルエンザも乗り越えることができ、ワクチンのすごさを実感しています。 そろそろ、インフルエンザ接種の季節がやってきました。今シーズンより今までの3価(A型2株、B型1株含有)ワクチンから4価(A型2株、B型2株含有)ワクチンに変更となります。価格も上がりますが、感染予防のため、是非家族全員で接種してください。接種が推奨されない乳児(0歳児)を守るために、同居する家族は必ず接種しましょう。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その6

痰切り編

くすり.png 3歳ころまで、ずーっと『あおっぱな』を出していた娘も4歳になってからはいつもすっきりしています。1歳から保育園に通い始め、お友達から病気になる菌やウイルスをもらい、次々にもらい続けるので『あおっぱな』が止まらなかったのかな、と今となっては思います。鼻をかむのは比較的上手な方でしたが、ひとりでかむことはできないので、こまめに鼻をかませていました。ポケットティッシュはお出かけの必須アイテム(笑)さて、あおっぱなのあのネバネバをちょっとサラサラにして出しやすくしてくれる薬が、いわゆる「痰切り」というものです。カルボシステインやアンブロキソールがよく使われます。子供に痰切り?と思うかも知れませんが、ネバネバ鼻水が鼻の奥にたまりにくくし副鼻腔炎や中耳炎を予防します。ネバネバ鼻水を早く身体から出してしまうためのお助け薬なので、処方されたら指示されたとおり服薬することが大切です。(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その5

整腸剤編

くすり.png 我が家には4歳の娘がします。朝早くから、冬では真っ暗になってしまう夕方まで保育園で過ごしています。子供の生活の基本は「くう・ねる・あそぶ」なので、自宅では食べること、眠ることに重点を置いています。遊ぶは保育園でおもいっきり遊んでいるから、私とはたまに・・・ですね。とにかく、朝1時間、夜2時間しか起きて接する時間がないので、病気になって受診となると、大変です。いつもよりちょっと体調が悪そう?と思ったら、早めに寝かせて、消化の良いものを食べさせます。また、自宅での常備薬も大活躍!特に整腸剤のビオフェルミン(乳酸菌製剤)は下痢、軟便、便秘に効果があり、ほんのり甘くて飲ませやすい薬です。副作用もほとんどありません。錠剤タイプは5歳から服薬することができ、噛み砕いて飲み込んでも効果は同じ。子供だけでなく、大人も服薬できるので、多忙な生活でついつい後回しになるセルフケアの必需品です。     (薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その4

ワクチン編

くすり.png ここ数年、海外では当たり前に接種されていたヒブ、肺炎球菌、ロタなどのワクチンが日本でも接種できるようになりました。そのため、乳児期の接種回数が多く、スケジュールを組み合わせやすくするため、混合製剤が発売されたり、複数のワクチンを同時に接種する方法が行われたりするようになりました。
 我が家には年中の娘がいて、ワクチンは両腕に接種するのが当たり前と思っています。インフルエンザワクチンを受けた際、娘は日本脳炎も同時接種したのですが、どうしてお母さんは一つだけ?と疑問に思っているようでした。同時接種は、体調の良い日に多くのワクチンを接種できるのでメリットも大きいのですが、泣く子をなだめるのも大変なので二種類の接種でスケジュールを組み、何とかクリアしました。生まれた時から、接種前にワクチンの説明をしていたためか、自分にとって必要なものだと理解して、痛くても泣かず、我慢してくれるようになっています。ぜひ、赤ちゃんだからとごまかさず、きちんと説明してくださいね。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その3

アデノ編

くすり1.png 我が家には4歳になる娘がいます。毎日保育園に朝から晩まで通い、とても活発で元気です。保育園に登園し始めたころ、色々な病気にかかりました。登園してから3か月は仕事どころではない、という話は聞いていましたが、そこまでの病気もなかったものの、高熱が出たのに、けろりとしている娘には、早く熱下がってくれないかな?と思いました。その正体はアデノウイルス。インフルエンザのように検査するとすぐに判明する病原体の一つで、夏季に流行します。このアデノウイルスは呼吸器、耳鼻咽喉科領域、泌尿器科領域などで多種多様な感染症を引き起こします。その症状は、軽度な風邪程度から重症の扁桃腺炎、肺炎、結膜炎、嘔吐下痢症など様々です。代表的な疾患に咽頭結膜熱(プール熱)、流行性角結膜炎(はやり目)があります。アデノウイルスはA~Fの6群に分類され、現在51の血清型が確認されています。
 特効薬はありませんので、とにかく水分補給、栄養補給、安静が大切です。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その2

中耳炎編

くすり.png 我が家には4歳になる娘がいます。毎日保育園に朝から晩まで通い、とても活発で元気です。自己主張も強くなってきて、毎日振り回されていますが、0~1歳の頃は、泣くことも少なく、いつもニコニコ穏やかな子どもでした。ある日、いつもよりぐずぐず言って、夜泣きもして、でも熱もなく、いつもと違うなぁ・・・と思っていました。次の夜、耳から「あおっぱな」みたいなのがドロリと出てきて、ようやく中耳炎!ということがわかり、耳鼻科を受診しました。痛いと言ってくれる今では手おくれになることはないですが、風邪のあと中耳炎になることが多いので、緑色の鼻水が出たら、耳も必ず診察してもらうようにしています。
 中耳炎は抗生物質を比較的長く内服する必要がある病気です。他に、痰切りや炎症を抑える薬を併用して、中耳炎の治癒を促します。また急性期は痛みも強いので、解熱鎮痛剤の坐薬を併用することもあります。痛みをとることでゆっくり眠ることができるので、様子をみながら上手に薬を使えたらいいですね。

(薬剤師 中野洋子)

ママ薬剤師の育児と薬の話 その1

ママ薬剤師の育児と薬の話 その1

 春本番ですね。花が咲き、散歩するのも気持ちがいい季節になってきました。ご縁あって、わいわいステーションでお薬相談ができることをとても誇りに思い、毎回相談に来るのがとても楽しみです。
 母たちの悩みは、育児に追われて時間も余裕もないので、まとまりなく、漠然としていて、でも、常に子供のこと、自分の体のことで悩んでいるのに、言葉に出てこない・・・。そんな印象を受けています。なので、あえて、母子たちと遊び、雑談しながら、お薬に関すること、日々のケアに関すること、衛生面に関することについてなど、お話するようにしてきました。今後も、そんな感じで行っていくので、お薬相談の日は、ぜひ、遊びに来て、おしゃべりして帰ってください(笑)
 今までは薬について、知識的なことを書き綴ってきましたが、今年度は4歳の女の子を育てるママ薬剤師の奮闘模様を書いていこうかな、と急に思い立ちまして、筆をはしらせています。わいわいステーションで相談を受けたこと、母との会話、赤ちゃんとの遊びを通して、私は知らず知らずのうちに、来てくださった方々から色々教えてもらっていました。それらを少しでも還元し、また、お薬の知識を深められるようにしていきますね。よろしくお願いします。

(薬剤師 中野洋子)

第55回 薬の誤飲 その2

第55回 薬の誤飲 その2



 お薬の誤飲は増えています。薬を飲ませたあと、なんとなくテーブルにおいてしまった水薬・粉薬を目を離したすきにゴクゴクと飲んでしまう場合もあれば、大人の薬を大量に飲んでしまうケースもあります。生理痛で鎮痛薬を飲む、眠れないからと睡眠薬を飲む、その薬を子どもの誤飲に配慮して保管していますか?
 乳幼児はなんでも口に入れて、確かめます。おもちゃも、薬も関係ありません。興味をもてば、取り出せないような場所に保管したとしても知恵を使って、飲んでみようとします。本人にも薬は大人が管理するもので勝手に服用しないものと説明しておきましょう。また、食べ物と思って薬や個包装の洗剤・入浴剤の誤飲の報告も増えています。もしも、そのような事故が起きて対応に困ったときはこちらに相談するとよいでしょう。
  ▶大阪中毒110番(365日・24時間対応) 072-757-2499
  ▶つくば中毒110番(365日・9時〜21時対応) 029-852-9999

(薬剤師 中野洋子)

第54回 薬の誤飲 その1

第54回 薬の誤飲 その1



 乳幼児はなんでも口に入れて、確かめます。おもちゃも、薬も関係ありません。どんなものでも興味を持って口いれてしまうのが乳幼児といえます。
昨年末、子どもの誤飲に関する報告書がまとめられ、発表されました。喫煙者の減少からか、たばこは減少しているものの、医薬品等の誤飲事故は減少していません。子どもにとって薬は色々な色がついていて、チョコのようなシートに入っていて、大人が扱うため、興味津々です。手の届かないところに置いても、椅子や台を持ってきて、目を離したすきに口にいれてしまうものです。どんな薬も子どもの手の届かない、見えない場所、鍵のかかる場所、取り出しにくい容器に入れる、などの複数の対策を講じて、子どもを誤飲から守りましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第53回 インフルエンザの薬

第53回 インフルエンザの薬

 インフルエンザは、インフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気です。38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛等全身の症状が突然現れます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳等の症状も見られます。また、小児、未成年者では、インフルエンザの罹患により、急に走り出す、部屋から飛び出そうとする、ウロウロと歩き回る等の異常行動を起こすおそれがあるので、自宅において療養を行う場合、少なくとも発症から2日間、小児・未成年者が一人にならないよう配慮しましょう。インフルエンザの薬にはオセルタミビルリン酸塩(商品名:タミフル) 、ザナミビル水和物(商品名:リレンザ) 、ペラミビル水和物(商品名:ラピアクタ) 、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物(商品名:イナビル)、があります。いずれも発症48時間以内の投与ですので、速やかに受診することが大切です。

(薬剤師 中野洋子)

第52回 アセトアミノフェン

第52回 アセトアミノフェン

くすり.png 常備薬としておいてほしい薬に、アセトアミノフェンがあります。アセトアミノフェンは,脳の視床下部体温中枢に作用し,熱放散を増大させ解熱作用を示します。平熱時にはほとんど体温に影響を及ぼさず,発熱時には3時間後あたりで,最大効果を発現します。また鎮痛効果もあり、頭痛、生理痛などの痛みをやわらげてくれます。坐薬(アンヒバ®、アルピニー®など)、錠剤(カロナール®など)として病院から処方されることも多く、薬局でも購入することができ、小児から、大人まで、そして妊娠中も授乳中も内服できます。これからの季節はインフルエンザによる解熱剤としても活躍します。他の解熱剤は脳症になる可能性が否定できないため、インフルエンザに感染し、解熱する必要があるときはアセトアミノフェンを使いましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第51回 二つの肺炎球菌ワクチンの違い

第51回 二つの肺炎球菌ワクチンの違い

くすり.png 平成26年10月1日より、高齢者に対して肺炎球菌ワクチンが定期接種となりました。ただし、乳幼児用のワクチンとは違うものです。
 肺炎球菌は免疫のはたらきが十分でない、乳幼児や高齢者に様々な病気を引き起こします。肺炎球菌によって起こる主な病気には、肺炎、気管支炎等の呼吸器感染症や副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎、菌血症などがあります。本来であれば菌が検出されない場所(血液や脳脊髄液など)から菌が検出される病態(髄膜炎、菌血症など)を特に侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)と呼びます。侵襲性肺炎球菌感染症は5歳以下の乳幼児と65歳以上の高齢者に多く発症することが知られています。現在、肺炎球菌感染症を予防するワクチンとしては、2歳以上で肺炎球菌疾患にかかるリスクが高い人および高齢者を対象とした23価肺炎球菌多糖体ワクチンと、2ヶ月齢以上6歳未満の小児を対象とした13価肺炎球菌結合型ワクチン(未熟な免疫力でも十分免疫がつくように工夫されている)の2つが発売されています。

(薬剤師 中野洋子)

第50回 定期接種になる水痘ワクチン

第50回 定期接種になる水痘ワクチン

くすり.png 平成26年10月1日より、水痘ワクチンが任意接種から定期接種に変更されることになりました。水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。1回のワクチン接種で重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられます。

0歳

1-2歳(2回接種)
推奨時期 初回:生後12~15ヶ月
2回目:初回接種終了後6~12月後 

3-4歳(H27年3月31日までに1回接種。生後36カ月以前に接種したワクチンも含む)

※既に水痘に罹ったことがある方は、接種の必要はありません。
ワクチン接種して、病気を予防しましょう!

第49回 薬の保管場所

第49回 薬の保管場所

 薬はどこで保管していますか?薬は高温や湿気を嫌います。正しく安全に使うために、保管場所は重要です。            ※室温:1~30℃


室温 冷蔵 注意事項
錠剤
粉薬
◯ 
吸湿しやすいので、缶やタッパーなどに乾燥剤と共に保管するとよい。
水薬

処方されたあと1週間以内に服用。未開封の瓶に入っているものについては室温でも保管可。
座薬

温度が上がると基剤が溶けてしまうことがある。
点眼薬

特に指示のないものは開封後1カ月以内に使用。袋があればその袋に入れて保管しておく。
塗り薬   開封後は早めに使用する。

 今回は一般的な保管方法についてご紹介しました。保管方法について指示されているものは、その指示に従いましょう。点眼薬、外用薬などは開封日を直接記入しておくと、管理しやすいです。
 また、全ての薬は直射日光が当たらず、子供の手の届かないところに保管しましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第48回 薬の飲ませ方、使い方の工夫

第48回 薬の飲ませ方、使い方の工夫

くすり.png 薬を飲ませるのが大変、塗り薬を塗らせてくれない、そんな保護者のお話を聞くことがあります。頑張って飲ませないと!頑張って塗らないと!と力を入れすぎていたり、このお薬大丈夫かな、効くのかな?塗らなくてもいいのかな?と不 安に思っていたり・・・。そんな気持ちが全部子供に伝わり、拒否していることが多いです。いつもと違う保護者の姿に、お子さんはびっくりして、構えてしまうのでしょうね。
 まず、お薬を使う時は、説明をしながら使うとよいでしょう。説明してもわからないからと、その部分を省いてはいけません。説明することで、お子さんもなんかいつもと違うけれど頑張った方がいいみたいだな、と気付いてくれますし、飲ませる保護者も納得できます。その納得している態度がお子さんに安心感として伝わるのです。上手に飲めたら、沢山ほめてあげましょう。そして、お薬は必ずお子さんの手の届かないところに保管しておきましょう。                           

(薬剤師 中野洋子)

第47回 プラセボ効果

第47回 プラセボ効果

くすり.png 乳糖やでんぷんなど、くすりとしての効き目のないもので錠剤やカプセル剤をつくり、頭痛の患者さんに本物のくすりとして服用してもらう実験をすると、半数くらいの人が治ってしまうこともあります。これを『プラセボ効果』といいます。プラセボのことは偽薬(ぎやく)と訳されます。偽(にせ)であっても、お薬の形をしているので、お薬を飲んだという安心感がうまれ、それに身体が反応して痛みが軽減したと考えられます。

 お薬を飲む時に、「この薬は効かないかもしれない、この薬は恐い薬かもしれない」と思って飲むと、せっかくの効果も半減してしまう可能性があります。薬を飲むからには、医師や薬剤師から説明を聞き、納得して、安心して、指示されたとおりに服薬することが大切です。効果だけでなく、副作用の軽減につながります。                                         (薬剤師 中野洋子)

第46回 プール熱

第46回 プール熱

くすり.png 夏を感じさせる日も増えてきました。水遊びやプール遊びが楽しい季節ですよね。水を使う遊びは、暑い日には体を冷やしてくれ、とても気持ちのいいことですが、水を媒介に感染症になりやすい遊びでもあります。この季節になるとよく耳にする「プール熱」はプールの季節によく起きるのでそのように呼ばれていますが、原因はアデノウイルス感染症で年中発症します。主な症状は、結膜炎、咽頭痛、発熱の3つです。(ただし、3つの症状が全て現われてこない不完全なケースもあります。)急な発熱で発症し、咽頭炎によるのどの痛みが現われます。また、結膜炎に伴って、充血、目の痛み、かゆみ、目やに、まぶしくなったり涙が止まらなくなったりします。しかし特効薬はありません。必要であれば解熱鎮痛薬(主にアセトアミノフェン)で対症療法を行い、充分な睡眠、栄養、水分補給が何よりの治療になります。1年中通して、手洗いうがいが感染症予防になりますので、頑張って続けましょう。また、タオルの共用も感染症がうつりやすい行為です。親子でもそれぞれで使うのがおすすめです。

(薬剤師 中野洋子)

第45回 あせも対策

第45回 あせも対策

くすり.png これからの季節、気温が上がって、あせも(汗疹)が出てきやすい季節になります。あせもができるのは、大量に汗をかいたときに、汗が皮膚の中にたまってしまうことが原因です。汗は、汗管(かんかん)という管状の腺から分泌される体液です。汗腺があるのは皮膚の真皮の奥深く。そこから汗管という汗の通路が伸び、体の表面のある汗孔と呼ばれる出口に通じています。たまった汗は、皮膚の下にある汗管の周りの組織に漏れ出し、水ぶくれが生じたり、炎症を起こして、かゆみを伴う赤いブツブツができたりします。
 汗は夏にかくもの、とつい春から夏にかけて衣類を着こみ、大量の汗をかいていることに気づかず、気付けば首の後ろは真っ赤っか・・・なんてことになりやすいので、衣類での温度調節に注意をはらいましょう。また、日頃から汗を流す、やさしく拭き取るなどして皮膚を清潔に保ち、入浴後には保湿剤を塗って、スキンケアを行いましょう。赤みがひどいあせもができてしまったら、ステロイド含有の外用薬を使い、かきこわさないようにすることが大切です。

(薬剤師 中野洋子)

第44回 よく効く薬の飲み方

第44回 よく効く薬の飲み方

くすり.png 薬は1日1回のもの、2回のもの、3回のもの、症状のある時だけのむもの(頓服)など、薬によって飲む回数が違います。それはなぜでしょうか。
 薬の飲む回数は、どれだけ薬が身体の中に残るかによって決められます。1日3回のむ薬は1日3回のめば、1日中薬の効果を期待できますし、1日1回のは1日1回の服用でも1日中効果が期待できます。1日3回と指示されている薬も、1日2回しか服用しない、あるいは、服薬する時間が均等でない場合は十分な効果が得られない可能性があります。1日3回と指示されている場合、8時間毎に服用することがのぞましいです。
 幼稚園などでお昼の薬が飲めない場合には1日2回に処方を変更してもらうよう医師に相談しましょう。もし1日3回服用する必要がある場合は「朝、保育園帰宅後、寝る前」の3回にするなどして、1日3回のめるように服用時間を調整すると、薬の効果を十分に得ることができます。

(薬剤師 中野洋子)

第43回 耐性乳酸菌製剤

第43回 耐性乳酸菌製剤

くすり3.png 抗菌薬(抗生物質)をのんで、下痢をしたことはありませんか?中耳炎や気管支炎、肺炎など、病気の原因となっている菌を増やさないようにして、早く治癒するようにしてくれるのが抗菌薬(抗生物質)です。しかし、病気の原因の菌のみを選んで効果を発揮してくれればいいのですが、なかなかそうもいかず、身体にとって必要な菌も増やさないようにしてしまいます。腸内には多くの細菌が働いて、お腹の調子を整えていますが、この大切な菌まで増やさないようにしてしまうため、下痢がおこります。抗菌薬の副作用の一つですが、とくに乳幼児は成人に比べると下痢しやすいです。この副作用を予防するために処方されるのが、耐性乳酸菌製剤(商品名:ビオフェルミンR、ラックB-R、エンテノロンーR)です。これらは抗菌薬を服薬していても、殺されにくい乳酸菌が含まれていて、腸内細菌叢が乱れることによって起こる下痢を予防してくれる効果があります。抗菌薬と一緒に処方されたら、お腹の調子が悪くなくても一緒に服用しましょう。また、抗菌薬服薬による下痢が起きた時には、処方してもらいましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第42回 抗菌薬のクラリスロマイシン

第42回 抗菌薬のクラリスロマイシン

くすり.png 緑色の鼻水が出ている時には、ばい菌が鼻の奥で悪さをして、免疫力との戦いを繰り広げています。そんな時は、セフェム系と分類される抗菌薬(抗生物質)を数日服薬し、免疫力と共に力をあわせて治療します。その後、落ち着いてきてるのに、また違う抗菌薬を処方されることがあります。この時処方されるのはクラリスロマイシン(商品名:クラリス、クラリシッドなど)です。この薬は抗菌薬の効果も期待していますが、それ以外の効果も期待して、処方されています。クラリスロマイシンは鼻の粘膜の免疫機能を亢進させたり、炎症による粘液の排泄機能を高めたりします。この効果を期待して2~4週間、鼻の症状によっては数か月間処方されることもあります。症状が改善しても、完治にいたるまで手助けしてくれるお薬ですので、継続して服用する必要があります。

 クラリスロマイシンは大変苦いお薬で、口の中で溶けにくいようにコーティングしてあります。オレンジジュースなどで酸味のある飲料で溶かすと苦みが出てきます。また、ミネラルと結合して、吸収されにくくなります。牛乳やイオン飲料などで服用するのも避けましょう。                (薬剤師 中野洋子)

第41回 痰きり

第41回 痰きり

くすり.png 小児科や耳鼻科を受診すると、咳止めと痰切りが混ざっている薬をもらうことがあると思います。「痰を切るお薬です」と説明される薬では、商品名でムコダインやムコトロン、ムコソルバンやムコサールなどがよくつかわれます。痰とは、咳をしたときにのど(気管)から出てくるネバネバしたもの。風邪をひいて、気管に炎症がおこると、痰がさらにネバネバして出にくくなり、咳をたくさんして、体力を消耗して・・・と悪循環におちいります。痰切りはネバネバした痰をサラサラにする効果と気管粘膜をなめらかにする効果を期待して処方されます。
 このネバネバをサラサラにする効果は、ネバネバ鼻水もサラサラ鼻水にする効果が期待できるため、痰切りは副鼻腔炎や中耳炎の時にもよく処方されます。痰が出てなくても、鼻の奥にたまっているネバネバ鼻水をサラサラすると鼻から出やすくなるので、症状が改善しやすくなります。 

(薬剤師 中野洋子)

第40回 解熱剤の使い方

第40回 解熱剤の使い方

くすり.png 寒さが厳しくなってきました。風邪やインフルエンザなどで体調を崩しやすい季節ですね。風邪などで子供が発熱すると、病院に早く連れて行かないと!と不安になるものです。熱は病気の原因である細菌やウイルスと戦っている証なので、熱が出たことで驚くことはありません。でも、特に夜間の発熱だと、救急外来を受診すべきか、と悩みますが、痙攣や意識消失がなければ、様子をみて翌日受診します。そんな時に、役立つのが解熱剤。小児はアセトアミノフェンを使います。熱や痛みに効果があり、粉薬、水薬、坐薬があります。解熱剤は基本的に38.5度以上の発熱で、ぐったりしている、活気がない時に使います。熱があっても、食事ができたり、遊んでいれば、使う必要はありません。水分もとれず、しんどくて眠ることもできないような時には、解熱剤で熱をさげ、下がっている間に水分を少しずつのませ、おかゆなどの消化のよい食事をとります。解熱剤を使っても、水分を摂れない時は速やかに受診しましょう。 

(薬剤師 中野洋子)

第39回 新しくなる肺炎球菌ワクチン

第39回 新しくなる肺炎球菌ワクチン

くすり.png 2013年11月1日よりパワーアップした肺炎球菌ワクチンが定期接種に導入されます。肺炎球菌は90種類以上の種類があり、それぞれ特徴が異なります。今までのワクチンには、その中でも、特に重篤な肺炎球菌感染症を引き起こすことの多い7種類の肺炎球菌の成分が含まれており、主にこれらに対して予防効果を発揮してきました。ワクチン接種が始まってから、肺炎球菌による髄膜炎は73%患者減少がみられています。
 そして、2013年6月18日、13種類の肺炎球菌の成分が含まれる肺炎球菌ワクチンが承認され、より多くの肺炎球菌に対して予防効果を発揮できると期待されています。
 さて、切り替え後のスケジュールですが、7種類から13種類に変更になるだけです。接種のスケジュールに変更なく、ワクチンだけが変わるということになります。すでに7種類のワクチンを打ち終えてしまった人については、生後60月に至るまでの間は、13種類のワクチンを任意接種で接種することができます。(任意接種なので、実費負担ですね)

(薬剤師 中野洋子)

第38回 インフルエンザワクチン

第38回 インフルエンザワクチン

 秋らしくなってきました。これからは空気が乾燥しているので風邪やインフルエンザなど、病気になりやすい季節でもあります。外から帰った時、食事の前などこまめに手洗い、うがいを心がけましょう。
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 さて、10月半ば頃よりインフルエンザワクチン接種の時期に入ります。インフルエンザワクチンは接種後2週間目から抗体が上昇しはじめ、1か月でピークに達し、その効果は5カ月持続します。12歳までの子供は2回接種します。その間隔は1~4週間となっていますが、4週間後に追加接種すると、最も抗体が上昇し、効果的です。インフルエンザは12月頃より流行し始めますので、11月中には済ませておくとよいでしょう。
 ただし、生後1歳未満の場合、抗体が上がりにくく、ワクチンの効果を得にくいため、保護者など子供と接する周囲の大人が接種して予防する方が効果的です。小児科で子供と一緒に接種できるところもあるようですので体調のよい日に接種し、その日はゆっくり過ごしましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第37回 ステロイド系外用薬 その2

第37回 ステロイド系外用薬 その2

 ステロイド系外用薬を塗る時、どれくらいの量を、どれくらいの頻度で塗ればいいのでしょうか?主治医がこまかく指示してくれなかった時、どうしたらいいの?とお困りの相談をうけます。まずは、診察時に、塗る回数、塗る量を主治医に確認しましょう。主治医は、薬を使っているという前提で、診察しますので、塗り忘れた時がある場合は、そのことを伝えた方が適切な診断が受けられます。

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 一般的には、右のイラストの量を1日2回からはじめ、よくなってきたら、1日1回にしたり、中止したりします。中止後は保湿剤(ワセリン)などで皮膚を保湿します。スキンケアの基本は「清潔」と「保湿」ですので、正常な皮膚のケアも忘れずに。

(薬剤師 中野洋子)

第36回 ステロイド系外用薬 その1

第36回 ステロイド系外用薬 その1

「ステロイド」という響き、一度は耳にしたことがあることと思います。ステロイドというのは、副腎皮質ステロイドの略です。副腎皮質というのは腎臓の上にある「副腎」という臓器の外側を指し、副腎皮質ホルモンというのを常に出しています。この副腎皮質ホルモンと同じような働きをする化合物を「ステロイド」と総称しています。
くすり.png さて、ステロイドは自分の体にはなくてはならないホルモンで、常に一定量出ていますが、風邪をひいたり、体調不良の時、ストレスが強い時など、自分の体を守るために多くでるという特徴があります。その作用を生かしたのが、ステロイド系外用薬です。主に皮膚の炎症(赤くなる、腫れる、熱感、痛み)の時に使用します。アトピー性皮膚炎、虫さされ、かぶれの時は、炎症が起きているので、ステロイドを活用し、皮膚を正常に近づけます。ステロイド系外用薬は3日程度使用し、改善したら保湿を1か月程度は続けて、スキンケアに心がけましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第35回 便秘薬 その3

第35回 便秘薬 その3

便秘薬についてまとめてみました
♪外用薬編です。

ビサコジル坐薬2mg(成人は10mg)

  • 腸管蠕動運動をよくしたり、便の水分を保持して排便しやすくします。

グリセリン浣腸(薬局でも購入できます)

  • 肛門ないし直腸の粘膜を刺激して、排便をうながします。ただちに排便効果がえられます。使い方は下記。
  • 生後半年くらいまでは綿棒による刺激でも排便があります。綿棒の先にオリーブ油などの潤滑油をつけ、綿棒の綿の白い部分がかくれるくらいさしこんで2~3分おくと、排便されます。
  • 便が噴出してくることもありますので、飛び散っても大丈夫なように周囲を準備しておくとよいですよ。

≪浣腸の使い方≫
1回あたり,1歳未満で10-20ml,1-3歳で20-30mlを,3歳以上で30mlくらいを使用します。浣腸液は、お湯につけて40度くらいまで加温しておくとよいでしょう。少量の内容液でチューブの先端部を潤すか、オリブ油またはワセリンを塗布しておくと挿入しやすくなります(はじめから潤滑剤が塗布されている製品もあります)。挿入時の体位は左側を下に横向きに寝て、ひざを軽くお腹の方に曲げてやや前屈の姿勢にします。1歳未満はおむつを替えるときの姿勢でよいです。肛門内にチューブを3~4cmゆっくり挿入し、浣腸液を少しずつゆっくりと注入します。注入後、チューブを静かに抜き取り、肛門部をティッシュなどで押さえ、便意が強くなってから排便してください。
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(薬剤師 中野洋子)

第34回 便秘薬 その2

第34回 便秘薬 その2

前回ご紹介した便秘薬についてまとめました♪いずれも適宜増減しますので、便秘気味のお子さんは、この表の用量よりも多く内服することもあります。主治医と相談して決めましょう。
主な副作用は「下痢」です。
★ピコスルファートナトリウム:腸管蠕動運動をよくしたり、便の水分を保持して排便しやすくします。1日1回服用します。

6ヶ月以下 1歳 1〜3歳 7〜15歳 成人
2滴(0.13ml)  3滴(0.2ml) 6滴(0.4ml)  10滴
(0.67ml)
10〜15滴
(0.67〜1.0ml) 

★酸化マグネシウム:便の水分を保持して便をやわらかくして排泄しやすくします。1日1~3回に分けて内服します。
新生児 6ヶ月 1歳 3歳 7歳半 12歳 成人
100㎎ 400㎎  500㎎ 650㎎ 1g 1.3g 2g 

次回はビサコジル坐薬2mg(成人は10mg)、グリセリン浣腸をご紹介します。

(薬剤師 中野洋子)

第33回 便秘薬 その1

第33回 便秘薬 その1

 便秘ってどんな症状でしょうか?便は毎日でないと、便秘なのでしょうか?
 成人は「三日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」、小児は「不快感を生じる硬い便の排泄」と定義されています。毎日排泄があるだけでなく、すっきり感が必要なのですね。
くすり.png お腹にうんちがたくさんたまっているのもお腹が張って苦痛ですが、硬いうんちを排泄すると肛門に亀裂を生じることがあり、それも大変苦痛です。子供はその苦痛がいやなので、『うんちをしたくない→便意がそのうちなくなる→停滞する』という悪循環におちいり、さらにうんちが出ない状況になります。この悪循環を断ち切るために薬を使うことがあります。飲み薬では、ピコスルファートナトリウム(成分名)、酸化マグネシウムがよくつかわれます。ピコスルファートナトリウムは液体で、うんちの硬さに応じて調節が簡単で、腸を刺激して排便を促します。酸化マグネシウムは粉薬で、便をやわらかくして排泄を促します。いずれも赤ちゃんも妊婦さんも使える安全な薬です。上手に活用して、便秘の悪循環を断ち切りたいですね。

(薬剤師 中野洋子)

第32回 点鼻薬 その2

第32回 点鼻薬 その2

 花粉症の季節が続いています。鼻水、鼻づまりの症状の緩和に用いられる点鼻薬で、前回は噴霧式をご紹介しました。噴霧式点鼻薬は液体を霧状にして、鼻の奥に薬の成分をいきわたらせます。もうひとつの点鼻薬は液体のまま使用します。点眼薬と同じような容器に入っていて、下記のように使用します。

薬.png
(1)鼻を軽くかみ,出来るだけ鼻の通りを良くする。
(2)いすにすわり頭を後ろに傾けるか、仰向けに寝て頭が後ろに傾くように肩の下に枕をおく。 
(3)鼻内に指示された滴数を入れる。
(4)その後5~10分位同じ姿勢でいる。

 薬は使用方法を守り、適切に使うことで、効果を発揮し、副作用の発現を防ぐこができます。わからないことがあれば、医師・薬剤師に質問し、うまく薬を活用しましょう!

(薬剤師 中野洋子)

第31回 点鼻薬 その1

第31回 点鼻薬 その1

薬.png 花粉症の季節がやってきました。目のかゆみ、鼻水、鼻づまりでつらい日々を過ごしている方も多いと思います。家事や育児もはかどらず、イライラしてしまう前に、適切な薬で症状を緩和し、笑顔の毎日になるようにしたいものです。
 花粉症の治療は飲み薬、点鼻薬がよく用いられます。そのうち点鼻薬は、炎症を抑える働きのあるステロイド、アレルギー症状を緩和する抗ヒスタミン薬が用いられます。点鼻薬の使用方法は、噴霧式の場合下記のように実施し、毎日点鼻することで効果が得られます。

(1)鼻を軽くかむ。頭を少し後ろに傾けまっすぐ座る。
(2)容器の先端を鼻内に入れ、鼻から軽く息を吸い込みながら噴霧する。
(3)お薬を鼻の奥まで広く行き渡らせる為に、頭を後ろに傾けたまま,数秒間鼻で静かに呼吸する。 

(薬剤師 中野洋子)

第30回 VPD=ワクチンで防げる病気

第30回 VPD=ワクチンで防げる病気

 ワクチンで防げる病気のことをVPDといいます。
 子供たちのいのちを守るため、ワクチンのことを知ってもらおうという取り組みがされています。インターネット(携帯版もあり)でVPDと検索すると、出てきますので、一度のぞいてみてください。
VPD1.jpgVPD1.jpg
 こちらのホームページでは、ワクチンスケジュールをお知らせしてくれるパパ&ママお助けスマホ無料アプリ「予防接種スケジューラー」があります。主な機能は
・接種できるワクチンの月別表示
・ワクチン接種の予定日の記録、前日のお知らせ
・接種したワクチン、接種予定のワクチンの一覧表示
・予防できる病気と各ワクチンの解説
・複数アカウント(お子さん)の管理
・予定日、接種日入力時におすすめスケジュールデフォルト表示
・ワクチンごとの不要な接種回数を非表示にする機能
・接種間隔をチェックしエラーメッセージ表示
・お子様の写真を登録する機能
です。アプリのサイトで「予防接種スケジューラー」と入力して検索してください。

(薬剤師 中野洋子)

第29回 二種類あるロタウイルスワクチン

第29回 二種類あるロタウイルスワクチン

ロタウイルスワクチンには二種類あります。この違いをご紹介します。
くすり.png
●ロタリックス(1価ワクチン):4週間隔で2回接種 します。遅くとも生後20週(140日)までに1回目、生後24週(168日)までに接種を完了します。生後24週以降は接種することができません。
●ロタテック(5価ワクチン):4週間隔で3回接種します。遅くとも生後24週(168日)までに1回目、そして3回目は生後32週(224日) までに接種を完了します。生後32週以降は接種することができません。
 ロタリックスとロタテックを組み合わせることはできません。必ず、同じワクチンを接種してください。
 ロタウイルスは激しい下痢、嘔吐を引き起こすウイルスで、治療薬はありません。生後2カ月になったら、ロタ、ヒブ、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎の同時接種がおすすめです。

(薬剤師 中野洋子)

第28回 消毒薬が効かないノロウイルス

第28回 消毒薬が効かないノロウイルス

ノロウイルス感染症などの感染性胃腸炎が流行してきています。特にノロウイルスはアルコール含有の消毒薬が効かないため、石鹸による手洗いが感染予防となります。また、食品については、十分に加熱することが大切です。
くすり.png まだまだ手洗い、うがいはできない小さな子供の感染予防はどうしましょう?という相談があります。手づかみで食べる時期になれば、つかまり立ちも可能なもの。流水で流すだけでも効果はありますので、食前だけでも手をしっかり洗うよう心がけましょう。また、毎回石鹸で手洗いすると手が荒れる、というお話も伺います。外から帰った時、食事の前、トイレの後は石鹸で、食後や室内で遊んだ後は水のみでと、手洗いも使い分けましょう。タオルで水分をしっかりふきとることも手荒れ予防になります。
 最後に、食事は十分に加熱して与えましょう。乳幼児の食事では生ものはできるだけ控えるべきです。また冷蔵庫で保管してあっても、菌やウイルスは増殖し、食中毒を引き起こす危険があります。ノロウイルスについては、少ないウイルスでも症状をあらわれる非常に感染力の高いウイルスです。電子レンジで温める際も、十分に加熱してから冷ますだけでも、菌やウイルスが死滅し、食中毒予防になります。

(薬剤師 中野洋子)

第27回 吸入薬

第27回 吸入薬

 薬には色々な種類がありますが、吸入薬は耳鼻科などで吸ったことがある人もおられると思います。吸入薬とは、薬を吸って、気管や気管支に薬を届けます。気管や気管支に薬を指で直接塗ることはできませんので、小さな粒にした液体、ガス、粉末を吸い込むことで、肺の奥まで届けるのです。
 継続して使う吸入薬としては、喘息の治療薬があります。喘息は夜中や運動すると息が苦しくなったり、咳が止まらなくなったりする病気ですが、吸入薬を毎日吸うことで、喘息の発作を抑え、生活の質を向上させます。そして、何より全身的な副作用が少ないのがメリットです。
薬.png また、これからの季節、インフルエンザの流行が待っています。インフルエンザ治療薬でも吸入薬が2種類あります。一つ目は1日2回5日間吸入するリレンザⓇ、二つ目は1回だけ吸入すれば効果が持続するイナビルⓇです。イナビルは病院を受診し、その場で吸入して帰るだけで、インフルエンザウイルスを増えにくくし、インフルエンザを早く治療することができます。ただし、上手に吸入できないと効果は発揮されないので、医療者の指導のもと、うまく吸入することが大切です。

(薬剤師 中野洋子)

第26回 インフルエンザワクチン

第26回 インフルエンザワクチン

 暑い夏も終わり、秋になってきました。これからは空気が乾燥しているので風邪をひいたり、インフルエンザにかかったり、病気になりやすい季節でもあります。外から帰った時、食事の前の手洗い、うがいを心がけましょう。
イラスト3.png
 さて、10月半ば頃よりインフルエンザワクチン接種の時期に入ります。インフルエンザワクチンは接種後2週間目から抗体が上昇しはじめ、1か月でピークに達し、その効果は5カ月持続します。12歳までの子供は2回接種する必要があり、その場合4週間後に追加接種すると、最も抗体が上昇し、効果的です。インフルエンザは12月頃より流行し始めますので、11月中には済ませておくとよいでしょう。
 ただし、生後1歳未満の場合、抗体が上がりにくく、ワクチンの効果を得にくいため、保護者など子供と接する周囲の大人が接種して予防する方が効果的です。大人も子供も体調のよい日に接種し、その日はゆっくり過ごしましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第25回 不活化ポリオワクチン

第25回 不活化ポリオワクチン

 より安全性の高いワクチンを!と望むものですが、9月からポリオワクチンは生ワクチンからより安全性の高い不活化ワクチンへと移行することになりました。                    
• 生ワクチン…弱毒化したポリオウイルスを使う
• 不活化ワクチン…ポリオウイルスを完全に無毒化して、一部を使う
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 生ワクチンは、免疫をつける効果が高く、値段が安いのですが、副作用として、ポリオを発症する可能性があり、ポリオ様の麻痺(ワクチン関連麻痺)と呼ばれています。また、便中にウイルスが排泄されることから、二次感染を起こす危険性もありました。
 生ワクチンは2回の内服でしたが、不活化ワクチンは初回接種3回(20〜56日間隔)と6カ月以上あけて(12〜18か月が望ましい)接種する追加接種1回の合計4回注射する必要があります。生ワクチンを1回受けている人、不活化ワクチンを自費で接種している人は、いずれも合計4回になるように接種します。
 11月からは三種混合ワクチンにポリオワクチンを加えた四種混合ワクチンに変更となります。一度でも三種混合ワクチンを接種していれば、四種混合ワクチンを接種することはできませんので、三種混合ワクチンとポリオワクチンを接種してください。

(薬剤師 中野洋子)

第24回 経口補水液

第24回 経口補水液

 「経口補水液」という飲み物があります。薬局で売っているものは「OS−1(オーエスワン)」、病院で処方されるものは「ソリタT3顆粒」です。スポーツ飲料やイオン飲料といわれている飲み物より、糖分は少なく、塩分が多く含まれているのが特徴です。
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 大量の汗をかく、発熱、下痢、嘔吐などの時、脱水症状に陥りやすいです。尿量が極端に減るなどの脱水症状になったときに、おすすめしたい飲み物が経口補水液です。これは、消化管から吸収されやすく、体に負担をかけにくいのが特徴です。ごくごく飲む必要はありません。飲むことができなければ、スプーン1杯でもOKです。1〜5分おきに少しずつ飲ませましょう。この方法で水分を補うと、点滴したのと同じくらいの効果が得られます。夏、思いっきり汗をかいたら、経口補水液がおすすめです。

【作り方】砂糖40g(大さじ4と1/2杯)、塩3g(小さじ1/2杯)を湯ざまし1Lに溶かす。お好みに応じてレモン、グレープフルーツ果汁を入れる。ポッカレモンとかでも可。

(薬剤師 中野洋子)

第23回 熱さまし

第23回 熱さまし

 熱さましのことを「頓服(とんぷく)」という人がいるくらい、症状があらわれた時に飲む薬の代表格です。ちなみに頓服とは、国語辞典によると「対症療法として薬を何回にも分けずに1回に飲むこと。」となっています。便秘の時、下痢の時など、すべて頓服です。 
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 さて、これからの季節、アデノウイルス感染症(プール熱)など高熱のでるウイルス感染症が流行します。こんな時、熱さまし(解熱剤)を服用すると、一時的に体温を下げてくれます。平熱以下に下がることはまずありません。
 しかし、ばい菌やウイルスを排除しようと防衛反応として高熱が出ているため、熱さましでずっと熱を下げてしまうと、免疫がうまく機能せず、病気が長引くおそれがあります。38.5度以上の発熱で、ぐったりしている、水分摂取量が少ない、食事もできない、このような症状の時に利用してください。坐薬、水薬、粉薬、錠剤があります。多くの熱さましは痛み止めの作用もあります。中耳炎など痛い病気の時も利用するとよいでしょう。                                   

(薬剤師 中野洋子)

第22回 虫さされ用の薬

第22回 虫さされ用の薬

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 薬局では、虫さされ用の薬が売っています。お薬相談でも、虫に刺された時は塗ってもいいですか?と多くたずねられる質問のひとつです。
 薬局で売っている虫さされ、湿疹に対する薬には、下記のような成分が含まれています。

・赤みや腫れといった炎症を強力に抑えるステロイド薬
・赤みや腫れといった炎症を抑える抗炎症薬
・かゆみを引き起こすヒスタミンのはたらきをやわらげ、痒みをしずめる薬。
・かゆみを抑える薬
・皮膚をかきこわすことによって細菌が増えるのを抑える薬
・すーっとして、かゆみを抑える薬

 ベビーにも安心と記載されているものにはステロイドが入っていません。ステロイドには強力な抗炎症作用があり、短期間使用する分にはほとんど副作用はありません。赤くはれている時には、1〜2回塗布して早く治してあげましょう。赤み、腫れ、かゆみが引いてきたら、保湿剤でのスキンケアを忘れずに。 
(薬剤師 中野洋子)

第21回 吐き気止め

第21回 吐き気止め

 吐き気止めとしてよく使われる薬があります。ナウゼリン(成分名:ドンペリドン)です。飲み薬もありますが、吐いているときに飲むことは無理なので、坐薬として肛門に入れて使うことの多い薬です。吐イラスト8.pngき気が強い時には、水分を摂ることも難しく、子供の場合、水分摂取ができなければすぐに脱水となり、症状が悪化し、入院治療が必要になります。このような時にお薬を利用し、薬の効いている間に水分となるイオン飲料やスープなどを摂ります。1回量を少なく、何回も飲ませます。嘔吐しているときは、下痢をしていることも多いので、その時は整腸剤(ビオフェルミン、ラックビー、ミヤBMなど)を併用します。とにかく、消化のよいものを食べて、しっかり水分を摂って、ゆっくり体を休めましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第20回 下痢止め

第20回 下痢止め

くすり.png 赤ちゃんのうんちは軟らかいものですが、いつもに比べて明らかに水分が多く、回数も多くなると下痢です。下痢の多くは、ウイルスや細菌などの病原体に感染したことが原因の胃腸炎で、胃腸炎になると腸の働きが悪くなり、消化吸収ができず、便となって出てきてしまいます。
 下痢をした時には早くとまってほしい!と思いますが、下痢は腸内の異物を外に出そうとしているので、積極的には下痢止めは使いません。整腸剤で様子をみることが多いです。ただし、激しい下痢の場合は、下痢止めが処方されます。下によく処方される薬を紹介します。

★アドソルビン:腸内の余分な水分やガスを取り込んで、体の外に出す下痢止め
★タンナルビン:腸内の粘膜を保護したり、粘膜から分泌液が出るのを抑える下痢止め
★ロペミン:腸の動きを抑える下痢止め

下痢をしているときは、水分をとり、脱水に注意しましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第19回 整腸剤

第19回 整腸剤

 整腸剤というと、乳酸菌製剤を指すことが多いです。乳酸菌製剤とは、薬局で売っているビオフェルミンが有名ですね。病院でもビオフェルミンやラックビー、ミヤBM、ビオスリーなどの乳酸菌製剤を整腸剤として処方されます。特に下痢の時にはよく処方されます。味もほんのり甘くて飲みやすいお薬です。下痢だけでなく、便秘にも効果があります。
くすり.jpg これらの乳酸菌製剤を水に溶かしたら、粉が下に沈みますが、成分は水に溶け込んでいますので、上澄みを飲めば薬の成分を服用することができます。また、ビオフェルミンの錠剤は、ほんのり甘いラムネのような感じ。錠剤をそのまま飲み込めなくても、噛み砕いて飲み込めばOKですよ。粉薬が苦手なら、錠剤での処方を希望するとよいでしょう。また、整腸剤は食後に服薬すると腸まで乳酸菌が届きやすくなります。   

(薬剤師 中野洋子)

第18回 ドライシロップ

第18回 ドライシロップ

 お薬の説明書をお薬と一緒にもらうのが当たり前になってきました。その時にお薬の名前に注目してみてください。粉薬でも○△□散、○□×顆粒、○□▽ドライシロップなどと粉薬でも色々な種類があります。今回はドライシロップについてのお話です。
イラスト7.png ドライシロップとは、乾燥させた甘いお薬のこと。溶かして飲ませます。水に溶かすと効果が消えやすい薬、苦みが強くて飲みにくい薬などがドライシロップになっています。特に抗生物質は水分に触れると分解されやすいので、ドライシロップになっており、服用する前に溶かすことで、味も効果も保つことができます。基本的にはお白湯で溶かしますが、薬によっては他の飲み物で溶かすこともできます。他の飲み物に溶かしたい場合は、必ず薬局で相談してください。組み合わせによっては薬の効果がなくなることがあります。

(薬剤師 中野洋子)

第17回 子供の薬の量の決め方

第17回 子供の薬の量の決め方

 小児科や耳鼻科を受診すると、体重を確認されませんか?しかし、薬の量は体重に比例せず、体表面積(体を覆う皮膚の面積)に比例します。例えば、1歳の子供の平均体重は10kg前後ですので、大人の
イラスト6.png平均体重を60kgとすると、体重で比例するなら、薬の量は1/6になりますが、体表面積で計算すると1/4となり、服用する薬の量は多くなります。また、子供は大人に比べると薬を分解する能力が未熟だったり、体の水分が多いため薬の運ばれ方が違ったりして、大人と子供では大きさだけでは薬の量を決めることが難しいのです。そのため、それぞれの薬でどうやって量を決めるのかが決められています。その上で医師の判断により、薬は処方されます。その目安として、体重を利用しています。
 お守り代わりにもらった解熱剤、吐き気止め、咳止めなど製剤的には3年くらいは使えますが、乳幼児の場合、薬の量が大幅に増えますので、処方後半年程度までが目安でしょう。薬は少なす  ぎても多すぎても薬としては使えません。適切な量を使うことが大切です。

(薬剤師 中野洋子)

第16回 ロタウィルスのワクチン

第16回 ロタウィルスのワクチン

 2011年11月21日にロタウイルスに対するワクチンが日本で発売されました。ロタウイルスは感染性胃腸炎の中でも、重症になりやすいウイルスです。激しい嘔吐や下痢を繰り返し、気付かないうちに脱水症状に陥ることがあります。重症化すると、脳炎・脳症となり、後遺症が残ることもあります。ロタウイルスによる下痢のうんちは白っぽくなるのが特徴です。
 このウイルスによるワクチン接種により、およそ90%感染を防ぐことができます。ワクチンは飲むタイプの生ワクチンで、生後6〜24週の間に4週間以上あけて2回接種します。ただし、全額自己負担のため、費用については医療機関にお問い合わせください。
 ロタウイルスは5歳までにほとんどの子供がかかりますが、年齢が小さいほど重症化しやすい傾向があります。また、年齢的にこのワクチンを飲めないお子さんも多いことでしょう。もし下痢や嘔吐が続き、水分摂取が不可能な場合は、速やかに受診し、点滴などで水分を確保し、重症化しないようにしましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第15回 ウィルスに効く薬

第15回 ウィルスに効く薬

RSウイルスが流行しているというニュースが流れています。さて、治療薬はあるのでしょうか?残念ながらRSウイルスに対する特効薬はありません。抗生物質は?というと、細菌には効果を発揮しますが、ウイルスには効きません。細菌とウイルスは似ても似つかぬ別物です。
イラスト5.jpg特定のウイルスに対しては効果のある薬もあります。インフルエンザウイルスにはタミフル(内服)、リレンザ(吸入)、イナビル(吸入)、ラピアクタ(注射)という4種類の薬があり、インフルエンザと診断されると処方されます。インフルエンザウイルスに対する薬は、インフルエンザウイルスを直接攻撃して殺してしまう作用はなく、増えないようにして症状の悪化を防ぎます。他にヘルペスウイルスを増えにくくする薬(アシクロビル、アラセナAなど)もあり、水疱瘡や口唇ヘルペスの際に処方されます。薬を中断してしまうと、ウイルスが増えて症状が悪化したり、薬に強いウイルスに変化しますので、処方されたら決められた量を決められた期間使うことが大切です。
 多くのウイルス感染症に対しては、有効な治療薬がありません。感染症を防ぐにはまずは手洗い、石鹸で丁寧に洗い、清潔なタオルで拭き取る習慣をつけましょう。また、ウイルスによる感染症を早期に治療できる方法は、自分自身がもつ免疫力です。免疫力を上げるには、良質の睡眠と、栄養バランスのとれた食事、適度な運動です。あと、笑顔が免疫力アップさせますよ。

(薬剤師 中野洋子)

第14回 抗生物質

第14回 抗生物質

 病院で診てもらったら“抗生物質”をもらった!という話を聞きますが、抗生物質とは何でしょうか?広い意味で抗生物質と言うと、菌を増やさない薬のことです。中耳炎や肺炎、膀胱炎、怪我をして化膿するなど、菌が原因でおこる病気は沢山あります。普段なら、免疫力で菌が増えすぎることはありませんが、寝不足や疲れなどで体が弱った時に免疫力が低下し、菌に対抗する力(抵抗力)が弱まり、菌が悪さをして病気になります。熱が出たり、膿がでるのは、体が菌をやっつけようと反応しているからです。
10_3.jpg 菌が増えて病気になったときに抗生物質を利用します。抗生物質は菌の増えすぎを防いで、早く病気を治したり、ひどくならないようにできます。
 抗生物質は処方されたとおり服用する必要があります。症状が軽くなったからと中止してしまうと、薬に強い菌だけが生き残り、次に同じような症状の時がおこっても薬が効かなくなることがあります。これを耐性と言います。薬の量や期間を守ることで、耐性をもつ菌を増やさないようにすることができます。薬は指示通り使いましょう。

(薬剤師 中野洋子)

第13回 目薬(点眼薬)

第13回 目薬(点眼薬)

 目やにができたり、ものもらいができたり、大人なら疲れ目のとき、乾燥したときなど目薬をさすことがあると思います。上手にさすと、副作用を予防でき、効果を十分に発揮させることができます。上手な目薬のさし方をご紹介します。
① 手を石鹸で洗う。まぶたに汗などが付着している場合はぬぐいとり、清潔にする。
70068-527932-1.jpeg② 上を向いて下のまぶたを人差し指でひき(あっかんべーをする)、他の指は握り、頬の上におく。もう片方の手で点眼薬を持ち、その手首をあかんべーしている握りこぶしの上におく。
③ 点眼薬を押して、1滴だけ目の中におとす。容器の先が眼やまぶたに触れないように注意する。
④ まぶたを静かに閉じ、点眼薬が眼の表面全体に行き渡らせる。あふれた点眼薬は清潔なガーゼやティッシュで軽く抑えて、ふき取る。
⑤ 点眼薬が鼻の奥に流れてなくなってしまわないように、目頭を指先で1分間押さえる。

(薬剤師 中野洋子)

第12回 アレルギーの薬

第12回 アレルギーの薬

 食物アレルギー、アトピー、花粉症、じんましん、喘息、鼻炎、結膜炎などなど、アレルギー症状は様々で、生活の質を落としてしまうことが多い症状です。かゆい、咳や鼻水がとまらないなどの症状によって、イライラして機嫌が悪くなったり、夜眠れなかったりします。
10_4.png アレルギーに対しては、『抗アレルギー薬』と分類されるお薬を1日1〜2回内服し、過剰な免疫反応を抑える作用を期待します。この薬を飲むことによって、アレルギー反応が起こりにくくなり、結果的にかゆみや咳、鼻水といった症状が改善します。アレルギーを起こすものがあれば、それを体に触れないようにする、入らないようにすることが基本的な治療ですが、全てを取り除くことは難しいため、内服薬によって治療を行います。速効性はなく、飲み始めから2週間くらいしてから効き目がわかるようになります。年単位で内服することも多く、副作用も少なく症状がおさまることによるメリット(夜眠れる、機嫌良く遊べるなど)の方が大きいので、薬の服用がすすめられます。

(薬剤師 中野洋子)

第11回 かゆみ止め

第11回 かゆみ止め

「かゆみどめ」と聞いて、塗り薬を思い浮かべる人、飲み薬を思い浮かべる人、両方を思い浮かべる人がおられます。かゆみ止めの成分は『抗ヒスタミン薬』と分類されているものです。塗り薬、飲み薬、注射など様々な薬に使われています。薬局で販売している塗り薬には主に『ジフェンヒドラミン』という成分が使われ、かゆみの原因の一つであるヒスタミンの働きを抑え、かゆみを抑えます。虫さされや湿疹など、一時的にかゆみを止めたい時には適したお薬です。かきむしると、とびひ(伝染性膿痂疹)になることもありますので薬で抑えてあげましょう。もしとびひになってしまったら、その時は速やかに受診し、抗生物質で治療をしましょう。
また、慢性的な湿疹、アトピーなどによるかゆみには、抗ヒスタミン薬の飲み薬や抗アレルギー薬の服用が効果的でしょう。

(薬剤師 中野洋子)

第10回 ワセリン

第10回 ワセリン

白色ワセリンをご存知でしょうか?
白色ワセリンをうまく使うと、スキンケアがしやすくなります。

★かさかさがひどい(足、腕、口の周り、耳など)
お風呂上がりすぐ全身には保湿効果のある乳液などを塗布、ひどい部分に局所的にワセリンを広めに伸ばす。カサカサで痒くなるのを防げます。
★おむつかぶれ
お風呂上がりの清潔な時に、肛門の周り、足の付け根など汚れが付きやすい部分、赤みを帯びている部分に塗布。汚れをつきにくくし、おむつかぶれが防げます。
★湿疹のあとに
ステロイドなどの外用剤を塗ってよくなったら、何も塗らないのではなくワセリンで皮膚を保護しておくと、再発を防げることが多いです。

白色ワセリンの中でも「プロペト」は比較的やわらかく、使いやすいですよ。
病院でも処方されますし、薬局でも販売しています。

(薬剤師 中野洋子)

第9回 ぬり薬

第9回 ぬり薬

皮膚トラブルが悪化したときに、塗り薬を塗ることがありますよね。塗り薬にはべとべとしている軟膏、クリーム、乳液、ローション、ゲル、液剤などがあります。薬の成分についての使い分けは別の機会を設けるとして、今回は、軟膏とクリームについて取り上げます。

★軟膏
油分が多く、伸びが悪いが刺激が少なく、汗などで流れにくいため持続性がある。傷口に塗ることもできる。
★クリーム
油分と水分が混ざり合っていて、なめらかで伸びがよく、塗りやすい。汗などで流れやすく、持続的な効果は低い。

例えば、乾燥してかさかさしてる時の保湿剤の使い分けは・・
乳液を全身に、クリームはひじやひざなどかさかさがひどい部分に、
軟膏は荒れて切れてしまったり特にひどい部分に、となります。

(薬剤師 中野洋子)


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